ドイツ式入れ歯
「テレスコープ」

ドイツ式入れ歯
「テレスコープ義歯」
とは?

ドイツ式テレスコープ義歯とは、歯を失った際に利用される入れ歯の中でも特に高い安定性と快適さを実現した治療方法です。
この義歯は、「テレスコープ義歯」とも呼ばれ、二重構造の内冠と外冠によってしっかりと支えられる独自の仕組みを持っています。

ドイツ式入れ歯の特徴として、自然な噛み心地を得られるだけでなく、美しい仕上がりが可能である点が挙げられます。その結果、日常生活でのストレスを軽減でき、審美面と機能面の両方で優れた効果を発揮します。

ドイツ式テレスコープ義歯の名称は、「テレスコープ」の構造に由来します。「テレスコープ」とは望遠鏡を意味する英語ですが、この義歯の二重構造が、望遠鏡のようにパーツがぴったりと重なり合う仕組みから名付けられました。内冠と外冠の二重構造により、義歯がしっかりと固定され、不用意に動くことがありません。

ドイツ式入れ歯
(テレスコープ義歯)の種類

ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)には、患者様のお口の状態に合わせて3種類のタイプあります。

  • コーヌステレスコープ
  • リーゲルテレスコープ
  • レジリエンツテレスコープ

残っている歯の本数により、用いられるドイツ式入れ歯の種類が変わります。
総入れ歯を検討するような歯の本数では、レジリエンツテレスコープでの治療が可能です。

残存歯数が少ない場合には、残っている歯に負担がかかりにくい設計の入れ歯を作製可能です。
また、残っている歯が悪くなって失ってしまった場合にも、同じ入れ歯を修理してそのまま使用することが可能です。

どんな人におすすめ?

現在の入れ歯で噛めない、作り直しても上手く使えないという方に適しています。

またインプラントが怖い、または全身状態の影響でインプラント手術を避けたいという方も、是非検討いただければと思います。
インプラント治療が難しい方で、しっかりと噛めて長持ちする治療を希望される方におすすめの選択肢です。

歯周病患者への適応可能性

歯周病の患者様にもドイツ式入れ歯は適応可能な場合があります。歯周病によって歯が弱くなっている場合でも、テレスコープ義歯を利用することで、残っている歯にかかる負担を緩和しつつしっかりと固定することができます。
例えば、リーゲルテレスコープなどのシステムは、負担を軽減する構造を持つため、歯周病の進行を抑えながら入れ歯の使用が可能です。

ただし、歯周病の進行状況や残っている歯の状態によっては、治療法の選択が必要となります。
そのため、事前にしっかりと精密検査を行い、患者様の個別のニーズに合わせた治療が求められます。

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ドイツでの誕生と歴史

ドイツでは、日本と違いバネを使った入れ歯を作ることはなく、テレスコープと呼ばれる入れ歯で通常治療します。

ドイツ式のテレスコープ義歯は、19世紀末にドイツで誕生しました。その起源は1886年まで遡り、以来130年以上の歴史を刻んでいます。

この技術は特にドイツのキール大学で発展を遂げ、教授であるKarlheinz Körber氏が研究したコーヌステレスコープが広く知られるようになりました。当初はドイツ国内で多くの患者に試みられ、その高い満足度からヨーロッパ全土に普及しました。

日本ではまだ限られた導入事例が多いものの、近年その実績と信頼性が注目されつつあります。

ドイツ式入れ歯
「テレスコープ義歯」の
特徴とメリット

残っている歯が1本〜3本でも
利用できる

歯が1本〜3本しか残っていなくても、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)は対応できます。
レジリエンツテレスコープという総入れ歯形態のドイツ式入れ歯での治療が可能ですので、ご安心ください。

バネなしで目立たない設計

ドイツ式テレスコープ義歯の最大の特徴の一つは、審美的に優れている点です。

従来の部分入れ歯のようにバネや金属が見えることがなく、自然な外見を保つことができます。このデザインのため、口元の見た目を気にする必要がなく、笑顔を取り戻せるのが魅力です。
このような設計は、患者様の自信を高めるだけでなく、周囲から義歯を使用していると気づかれにくいという点で大きな利点となっています。

噛み心地の向上と負担軽減

ドイツ式入れ歯であるテレスコープ義歯は、内冠と外冠の二重構造により非常に高い安定性を実現しています。
この設計により、従来の入れ歯にありがちな「ズレ」や「揺れ」を防ぎ、自然な噛み心地を提供します。

また、噛む際の力が均等に分散されるため、歯茎や残存歯への負担が軽減されます。これにより、口内の健康を長期間保つことが可能です。

耐久性と長期使用の安心感

ドイツ式テレスコープ義歯は、高い精度と耐久性を誇ります。特に、コーヌステレスコープなどの設計は、長期間にわたる安定した使用が可能です。

この義歯は徹底した技術と精密な製作工程によって生み出されており、適切なお手入れを行えば長期使用が期待できます。そのため、一度装着すれば何年にも渡って安心して使用できるのが特徴です。

修理が容易で長持ちする構造

テレスコープ義歯は、修理のしやすさにも優れています。内冠と外冠を組み合わせたシンプルな構造を持つため、義歯が破損した場合でも部分的な修復が可能です。
このような構造設計は費用対効果が高く、患者様にとっても経済的メリットにつながります。

また、修理を繰り返すことで義歯を長く使い続けることができ、結果的に満足度の高い治療へとつながります。

部分入れ歯にも総入れ歯にも
応用できる

ドイツ式テレスコープ義歯は、部分入れ歯にも総入れ歯にも柔軟に対応できる点も特徴です。
一部の歯が残っている場合には、残存歯を支台として使用し、内冠と外冠の二重構造でしっかりと固定します。このシステムにより、バネを使用する従来の部分入れ歯と比べて審美的で目立たない仕上がりとなります。

歯を全て失った場合にも、総入れ歯としてテレスコープ義歯を使用できます。
この場合、患者様の口腔内の粘膜や骨の形に合った設計が施され、従来の総入れ歯に比べて自然な装着感と優れた安定感を得ることができます。
特にコーヌステレスコープでは、精度の高いフィッティングにより、噛む力を効率的に分散させることが可能です。

ドイツ式入れ歯と
他の入れ歯・治療法
の違い

ドイツ式テレスコープ義歯は、一般的な入れ歯や部分入れ歯と比較する際にいくつかの大きな違いがあります。

最大の特徴は、バネやクリップを使用しないことです。この設計により、装着時に入れ歯が目立ちにくく、審美的な見た目を提供します。
また、2つの構造がしっかりと噛み合うため、装着感が安定し、硬い食品でもストレスなく食べられるようになります。

さらに、歯周病や歯の欠損が進行した患者様にも適応できる柔軟性を持ち、耐久性が高いため長期間にわたり使用可能です。

保険の入れ歯と
ドイツ式入れ歯の違い

保険の入れ歯は歯にバネをかけるタイプで、見た目は銀できになりますし、噛むとバネが“かんぬき”のように歯に負担がかかり、歯が弱ってしまいます。

一方、ドイツ式入れ歯はバネは使用せず、茶筒のような構造のため、支える歯の負担が減り見た目も審美的です。
入れ歯もとても安定するため、よく噛めるのも特徴です。

日本の保険の入れ歯ドイツ式入れ歯
(テレスコープ義歯)
・見た目が悪い
・歯への負担が強くグラグラしやすい
・支える歯が悪くなってしまうと入れ歯を作り直す必要がある
・安定しにくく、噛みにくい
・審美的
・歯への負担を軽減できる
・支える歯を抜歯しても修理し、その入れ歯を使うことができる
・安定しやすく、噛みやすい

総入れ歯とドイツ式入れ歯の違い

総入れ歯は歯が1本もない状態での入れ歯です。
一方、ドイツ式入れ歯は歯が1本でも残っていれば作製可能な入れ歯です。

歯が1本でも残せる場合は、総入れ歯ではなくドイツ式入れ歯を選ぶことで、

  • 噛んだ感覚がある
  • 支えがあることでより安定しやすい

という利点を得られます。

総義歯と違い、ドイツ式入れ歯では歯に被せ物を作製するため、歯の被せ物の作製後に入れ歯を作製します。
噛み合わせの検査は総入れ歯でもドイツ式入れ歯でも、必要であれば行います。

また、ドイツ式入れ歯は、お手入れをするとき以外は寝る時もずっと装着します。

なお、ドイツ式入れ歯から総入れ歯へ切り替えることは可能ですが、総入れ歯からドイツ式入れ歯へ切り替えることは不可能です。
ただし、どちらにしてもしっかり噛めるように治療する事は可能です。

従来の部分入れ歯と
ドイツ式入れ歯の違い

従来の部分入れ歯(バネ付き)と比べると、バネを使用しないため審美的です。

また、ドイツ式入れ歯は残っている歯への負担を減らしつつ、より噛める構造になっています。
歯にバネをかける場合には、噛むと“かんぬき”に似た力が歯に加わり、弱ってしまいます。
ドイツ式入れ歯は茶筒のような構造になっており、歯への負担を減らしつつ安定するため、噛みやすいです。

インブラントオーバーデンチャー・
オールオン4と
ドイツ式入れ歯の違い

インプラント併用の総入れ歯(オーバーデンチャー・オールオン4等)との比較ポイントとしては、インプラントを行うにあたり外科処置が必要となるのが大きな違いです。

骨粗鬆症や糖尿病、抗血栓薬を服用中の方は、インプラントを避けた治療を選ぶのがよいかもしれません。

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日本における
「ドイツ式入れ歯」の
認知度・普及率が
低い理由

ドイツ式入れ歯、特にテレスコープ義歯は、その優れた安定性と快適さからドイツでは高く評価されています。
しかし、日本ではまだ珍しく、一般的な治療法として広く認知されていません。

多くのメリットがあるにもかかわらず日本におけるドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の認知度・普及率が低いのには、治療の技術的な難しさ、取り扱える専門医(医院)の不足と保険適用外の自費診療であることが理由として挙げられます。

高度な技術を要するから

理由として、まず技術的な難しさが挙げられます。
テレスコープ義歯は内冠と外冠の二重構造を持ち、その正確な製作には高度なスキルが必要です。

また、日本の歯科大学ではテレスコープ技術の専門的な指導が行われておらず、多くの歯科医師がこの技術を習得していないことも要因の一つです。

ドイツ式義歯を取り扱える専門医が
不足しているから

日本国内でテレスコープ義歯を取り扱える専門医の数が極めて少ないことも、普及を妨げる一因です。

ドイツ式義歯の知識や技術は一部の熟練した歯科医しか習得しておらず、多くの歯科医院がこの特殊な治療を提供できない状況です。
この技術的な制限は、患者様が治療を求めても対応可能なクリニックを見つけるのが難しいという問題を引き起こしています。

保険適用ができず、費用が高いから

ドイツ式入れ歯は日本では自由診療の対象となり、保険適用がされないため、治療費用が高額になりがちです。
テレスコープ義歯の製作には精密な技術と時間が必要であり、その高い品質が費用に反映されます。

しかし、治療費用の高さは患者側にとっての大きなハードルです。
公的保険適用外である以上、多くの患者様が経済的な理由から選択を躊躇してしまっているという現状もあります

ドイツ式入れ歯の注意点

ドイツ式テレスコープ義歯の治療には、他の入れ歯よりも時間がかかる場合があります。
一般的に内冠と外冠の製作には複数回の型取りと調整を要するため、治療期間は通常数ヶ月程度です。その分、完成した義歯は非常に精密で満足度の高い仕上がりとなります。

入れ歯を使用したことがない方は慣れるのに時間がかかる場合がありますので、仮の入れ歯を作製し、慣れていただきます。

また、治療を進める上で注意したい点として、歯周病の治療や口腔内のケアを並行して行うことが挙げられます。

さらに、ドイツ式義歯は専門的な技術を必要とするため、経験豊富な歯科医師を選ぶことが大切です。治療中の患者様との密なコミュニケーションも、満足した結果を得るために重要です。

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ドイツ式入れ歯の
費用について

ドイツ式入れ歯の料金相場

ドイツ式入れ歯にかかる費用は、ドイツ式入れ歯のデザインや、支えとなる歯の本数によりますが、100万円〜となります。

レジリエンツテレスコープと呼ばれる入れ歯は、残っている歯の本数でも変わりますが、100〜200万円が相場となります。

作製できる技工所が限られており、自費診療となります。

ドイツ式入れ歯の費用は
医療費控除の対象になる

ドイツ式入れ歯にかかる費用は、医療費控除の対象となります。
確定申告時に申請することで、治療費の負担を抑えることができます。

その他費用に関する質問

Q.分割払いはできますか

A.当院の場合、患者様とのご相談によりますが、契約時と装着時に分割してお支払いいただくなども可能です。

Q.費用には調整やメインテナンス料は
含まれますか

A.当院では、ドイツ式入れ歯の費用には調整やメインテナンスの料金は含まれません
装着後、別途メインテナンスとなります。

Q.保険の入れ歯からドイツ式入れ歯に
切り替えた場合、追加でどのくらいの
費用がかかりますか

A.保険の入れ歯からドイツ式入れ歯にする場合、1から治療となりますので、ドイツ式入れ歯のデザインを決定し見積もりをお出しし、治療を開始いたします。

ドイツ式入れ歯の
治療の流れと期間

治療の基本的な流れ

検査・治療方針の決定

ドイツ式入れ歯、特にテレスコープ義歯の治療は、高い精度と患者一人一人に合わせた設計が求められるため、いくつかの段階を経て慎重に進められます。

まず、カウンセリングで患者の口腔環境や希望をヒアリングし、最適な治療方針を決定します。

その後、精密な検査を行い、残っている歯の状態や顎の骨の状態を確認します。

義歯の作成・装着

次に、テレスコープ義歯の内冠の製作に入ります。これには非常に丁寧な歯型の採取と技工士の精密作業が必要です。内冠が完成した後、それにぴったりと合う外冠が作られます。

この二重構造により、ドイツ式入れ歯は高い安定感と快適な使用感を実現します。最後に、完成した義歯を患者の口腔に装着し、噛み合わせ調整を行って使いやすさを確認します。

ドイツ式入れ歯の
治療にかかる期間

支える歯の本数やデザインによって期間は大きく変わりますが、ドイツ式入れ歯の治療期間は4ヶ月〜となります。

治療期間・通院回数は必要な歯の抜歯や支える歯の本数により変わります。長持ちさせるための準備となるための時間を要するからです。

状態の悪い歯がある場合は抜歯後に歯茎が治り安定するのを待つため、1年以上かかる場合もあります。

ドイツ式入れ歯
「テレスコープ義歯」が
選ばれる理由とは?

自分に合った義歯の選択肢

ドイツ式テレスコープ義歯は、患者様一人ひとりの口腔状態やライフスタイルに合わせて製作されるため、非常に個別性の高い治療法です。他の入れ歯と比べて安定感が高く、装着後の違和感も少ないため、日常生活を快適に過ごすことができます。

また、部分入れ歯から総入れ歯まで幅広いケースに対応できるため、歯を失った状態に関わらず最適な選択肢となります。

美しい笑顔と快適な噛む力を取り戻す

ドイツ式テレスコープ義歯は、目立つバネや金具が外から見えない設計なので、自然で美しい外観を取り戻すことができます。

また、内冠と外冠による二重構造が優れた安定性を提供し、噛む力を均等に分散するため、食事を楽しむ際の負担を軽減します。これにより、見た目だけでなく機能面でも充実した生活を送ることが可能です。

長期的なコストと健康への投資

ドイツ式テレスコープ義歯は、初期費用が他の治療方法より高額になることがありますが、その耐久性と修理のしやすさから、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。

さらに、適切な噛み合わせを提供し続けることで、他の健康リスクを軽減し、全身の健康を維持するための投資にも繋がります。健康と機能性を長期的にサポートする点で、非常に合理的な選択肢と言えるでしょう。

料金・お支払いはこちら

実績と信頼ある治療法へ

ドイツ式テレスコープ義歯は、130年以上の歴史を持ち、多くの患者様に選ばれてきた治療法です。その確かな実績と信頼性は、ドイツ国内での研究と開発によって裏付けられています。

日本国内でも技術指導を受けた専門医がこの治療法を導入しており、高い技術力で患者様に安心感を提供しています。熟練の歯科医師による治療を選ぶことで、安全で質の高い義歯が手に入ります。

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茨城県つくば市の歯医者【つくばさとう歯科】
インプラント・入れ歯・歯周病治療など幅広く診療可能。

診療時間
9:30~12:30
13:30〜17:30
休診日
土曜/日曜/祝日
診療時間
平日:9:30~12:30 / 13:30〜17:30
地図

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